エピソード記憶法

エピソード記憶とは

エピソード記憶とは人生の個人的な経験で覚えている記憶の事です。特に覚えておこうと意識しなくても自然と覚えているのがこの記憶の特徴です。例えば「みかん」といったら「おばあちゃんといつもこたつで食べた」とか「給食の冷凍ミカンが好きだった」「食べすぎてはだ黄色になった」などなど人によって違うエピソードを持っています。みかんというキーワードを聞いたときに思い浮かぶ記憶がエピソード記憶です。なおこのエピソード記憶は記憶の中でも一番高度な働きを持っており、忘れにくい特徴があると言われています。この記憶は4.5歳などある程度の年齢に達してから発達するもので、乳幼児から3歳くらいまでの記憶をはっきり覚えていないのはこのためです。

意味記憶とは

この反対のエピソード記憶と対比されるのが意味記憶です。意味記憶とは知識に基づいた記憶です。生まれてきて最初に記憶する母語も意味記憶です。言葉を学ぶようになると人間は様々な知識を吸収します。大きくなると学校でさらに多くの知識を習得します。このようにして得た知識は意味記憶と言われています。意味記憶は覚えようと意識して覚える知識で体験ではなく勉強によって得られます。そうした意味では抽象的な記憶です。

エピソード記憶法のメリット

エピソード記憶は記憶に残りやすいと説明しました。そのため教科書で学ぶよりも自分で実際に経験しながら学ぶことは記憶に残りやすいといえます。例えば社会の教科書で西南戦争について読むより、鹿児島に行って西郷隆盛の像を見るほうが名前も歴史上の出来事も忘れにくくなります。理科の教科書で化学式を眺めるより、理科室で試験管やビーカーを使った実物体験をした方が記憶に残るでしょう。このように科目実際にその場所に行ってみたり、実験をしてみたりという工夫をしながら学ぶことで感情にも影響し記憶しやすくなります。さらに学んだことを人に話したりすることでもエピソード記憶になります。人に説明をするには自分できちんと理解している必要があります。学んだことをどうやって分かりやすく人に話そうと考えると、脳は「これは重要な情報だ」と認識ししっかりと記憶に刻みます。また人に話した時の反応を見た時にまたそれが記憶として残っていきます。

エピソード記憶とは体験から何かを覚えることです。頑張って覚えようとしなくても自然に記憶に残ります。この覚えやすく忘れやすいという特徴のあるエピソード記憶を利用して、体験をしながら学ぶ、学んだことを使ってみる、学んだことを人に話すことによって記憶に深く刻むようにしましょう。