思い出す力も高めてスキルアップ

記憶力が悪くなった・・と思うのは実は思い違いです。記憶力ではなく思い出す力が鈍ってきているのです。

思い出す力をアップさせる

年を取ると物忘れがひどくなります。実際脳の機能は20歳をピークに低下していきます。40代くらいになると物忘れがひどくなったな・・と自覚するようになりますが、それは記憶できなくなっているのではなく思い出すことが難しくなっているのです。例えば「りんご」を思い出すときには、赤い色、甘い匂い、甘酸っぱい味、シャキッとした触感、丸い形などいろんなことが頭に浮かびます。ですがそれらは頭の中の別々のところに保存されています。ちょうど頭の中にさまざまな引き出しがある状態をイメージすると良いかもしれません。一つの情報だけではリンゴと認識することはできないですが、すべての情報を正しく組み立てることでそれがリンゴであることが認識されます。単語がすぐに出てこない時はこの記憶の組み立てがうまくできないことで起こります。ですが諦める必要はありません。トレーニング次第で思い出す力を高めることが出来ます。

睡眠で思い出す力を高める

睡眠を取ることで思い出す力が二倍になるという研究結果が出ています。12時間寝たグループと、12時間起きたままでいさせたグループでは提示した言葉を思い出す確率が二倍以上だったそうです。これは寝ている間にその記憶が整理され復唱され鮮明になっているからではと言われています。

なんども思い出すことで記憶に残る

自分の興味のあるものの記憶がたけている人がいます。頭がとびぬけてよいわけでも、他の事をすごく覚えているわけでもないのに、ある特定の分野に関して記憶がとても正確なのです。それは「記憶は思い出されることによって強化される」という特徴があるからです。例えば自分の好きなアニメや漫画などをいつも読み、その内容を友達に話したり、いつも考えたりしていることで記憶が定着します。何度も思い出すことで記憶を上手に取り出せるようになるのです。

目を閉じて思い描く

これは忘れていることを思い出すちょっとした方法です。もしかしたら無意識にしているかもしれません。ある研究で映画のシーンをみせた後に、そのシーンを思い出してもらうことをしました。すると、目を閉じて思い出してもらったグループは、目を閉じずに思い出してもらったグループよりも正確に思い出すことが出来ました。大事なことを思い出したい時には目を閉じてよく考えてみると思い出せるかもしれません。

思い出す力が衰えるとたくさんの情報が頭に入っていても無駄になってしまいます。よく睡眠をとること、忘れたくないことは人に話したりいつも考えたりしてアウトプットすること、とっさに思い出せない時は目を閉じて考えるなどを試してみて、思い出す力を鍛えましょう。