忘れる理由を知って暗記に生かそう

さっき言われたばっかりなのにもう忘れてしまった・・。なんて自分の記憶力の悪さにがっかりしてしまうことはだれにでもあります。忘れる理由を記憶力にいかすことができます。

どうして人は忘れるの?

人間の記憶には「短期記憶」と「長期記憶」があります。短期記憶のおかげで頭の中で計算ができたり、読んでいる文章の前半の内容を覚えていられたりします。この短期記憶に深くかかわっている脳の器官が脳の「海馬」と呼ばれる部分です。ここは記憶の一時的な預かり場所です。仕入れた情報はすべて一度海馬に預けられます。しかし、ここは一時的な預かり場所なので、放っておくといずれ消えてしまいます。海馬にある情報消えずに残るのは自分の命の危険にかかわるような生きるために必要な情報だけです。勉強したことや人から言われたことは忘れてしまっても死ぬことはないと判断しているので忘れてしまうのです。ですがそんな情報でもあっても私たちは覚えておきたいです。ではどうしたら命の危険に左右する情報でなくても覚えておくことができるのでしょう?

海馬の仕組みを暗記に生かす

海馬は数時間後には必要でない情報は消され、24時間後には70%もの情報が消えてしまいます。ですが同じ情報を入れることで海馬に入った情報が再び呼び起こされ、そして忘れにくくなります。これは海馬がさっきも入ってきた情報がもう一度入ってきたということで「重要な情報だ」と判断し、生命を守るために大事な情報なので長期記憶に移行する理由となります。この行動こそが復習です。効果的に暗記をするためには復習が欠かせないのです。

効果的な復習の仕方

復習といってもただ勉強したことを闇雲に復習してもあまり効果はありません。大事なのは復習のタイミングです。学習直後は軽い見直し程度にとどめます。次の日も昨日勉強したばかりなのでさっと見ただけで簡単に思い出すことが出来ます。一週間後になると覚えているところもあれば、忘れているところもでてきます。忘れているところは重点的に復習して覚えなおします。一か月後の復習で覚えているところは長期記憶にとどまったといえます。覚えたと思ったのに忘れてしまっているところはまた次回の課題とします。このように勉強した直後、翌日、一週間後、二週間後(忘れてしまってるところがあれば二週間後も復習)、一か月後と復習することが長期記憶にとどめる効果的な方法といえます。復習は努力のいることですが、勉強した後の、また次の日のちょっとした復習で記憶を定着させることができるので、完全に忘れてしまった後にもう一度覚えなおすより断然効率的です。

全ての情報は一度海馬という期間に保存されます。命の危険にかかわる大切な情報と判断されたときのみ長期記憶にうつさせることになります。一度入れた情報を何度かいれることで海馬はその情報を長期記憶にうつしてくれます。それが勉強の場合だと復習にあたります。勉強直後、翌日、一週間後、一か月後に特に覚えていないところを復習することで記憶が定着しやすくなります。情報が長期記憶にうつされれば忘れることは少ないでしょう。